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1999/1/24〜

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GDIエンジンの空燃比変化(予想)

(三菱)GDIエンジンの空燃比変化(予想)
 
改訂版398/11/21〜99/1/17

 レグナムに搭載された1.8L−GDIエンジン(97年モデル)の、実際の空燃比は負荷によってどのように 変化しているのか、参考文献などを元に推測してみました。
 なお、以前掲載していた説明は、一部不正確な部分がありましたので、より現実的な説明に変更し、改定版として掲載します。 更に、
Car Graphic誌11月号に記載されている問題記事と、三菱の説明を参考に、一部修正を加えています。
 使用
ガソリンはレギュラーとハイオクガソリンです。ハイオクの場合はレギュラーよりも多少リーン領域が広いような印象がありますが、三菱の説明では領域の広さの違いは不明です。


  →  参考のために以前の説明を見る人は、こちら

三菱への質問状の内容
 10月24日、三菱のQ&Aコーナーへ質問状を出しました。その内容です。

三菱からの回答
 11月12日に受領した三菱からのメールの内容です。



 以下の説明は、スロットルバルブに負圧計(実際にはターボメーターの負圧部分を使用)を取り付けて、走行中に負圧変化を見ながら解析したものであり、 三菱の説明も参考に、以前の説明より更に確度を上げたものです。
臨界rpm:2,000rpm〜2,100rpm

走行中の吸気負圧変化


 臨界rpm〜3,500rpmの間のアクセル開度変化に対する負圧計読みの変化の実際は、
  こちらの説明ページ
 を参照してください。但し、臨界rpm以下では超リーン領域が極端に狭くなります。
 また、アクセルをすっと踏んで加速中は無条件に通常燃焼モードとなります。


燃焼モード推定
(ハイオクガソリン使用)


(低負荷域;110Km/h以下の一定速度)

 110Km/h以下の一定速度域では、空燃比は30〜最高の40の超希薄燃焼での走行が可能となる。この状態では、 アクセルペダルからワイヤーでつながれたスロットルバルブとは別に設けられた、 2個の「エアバイパスバルブ」からの吸気量が大半を占める。40Km/hの時の吸気量は、 普通の同排気量エンジンの100Km/hの時の吸気量にも匹敵するという。
 この状態での燃費向上率は20〜30%である。

 「可能となる」と書いたのには理由がある。この速度域でも、ほんの少しでも加速のためにアクセルを踏み増すと、超リーン領域から外れてしまう特に、エンジン回転数が臨界rpm以下では、少しでも踏み込むと 理論空燃比14.7に一気に落ちてしまう
(臨界rpm〜3,500rpmの間は、通常燃焼リーン:空燃比20〜24に落ちる)
 このことは Car Graphic誌11月号の記事にはエンジン回転数まで書いていないので読み取れないが、これを読んで改めて負圧計を入念にチェックした結果、判明したものである。
 実際に一定速度で空燃比30〜40を維持した状態で走るのはかなり難しいとともに、 交通量の少ない環境と相当の忍耐が必要であるし、私のように負圧計でも取り付けていない限り、その臨界点を見極めるのは極めて困難である。


(中負荷域;110〜130Km/h)

 115Km/h以上では、超希薄燃焼ではかえって効率が低下する領域となる。 三菱のGDIでは、25〜30という空燃比は使用せず、一気に16〜24の、吸気噴射モードでの希薄燃焼となる。 このモードでは、GDI本来の層状燃焼ではないので効率向上割合も大きく低下するが、在来のリーンバーンエンジン 並みの効率向上は期待できる。
 この状態での燃費向上率は5〜10%である。但し、臨界rpm以下にはこの領域は存在しない。

(高負荷域;130Km/h以上)

 130Km/h以上となると、もはや希薄燃焼はムリ。濃い混合気によるパワフルな燃焼が必要である。 この時の空燃比は、理論空燃比の14.7〜13(リッチ)となり、通常エンジンの燃焼と同じ空燃比 である。
 この状態での燃費向上率は5%以下である。


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 補足になるが、空燃比13というリッチな状態は、気化したガソリンに1割をそのまま排出している ことになる。1割も!?と思ってしまうが、トヨタD−4では、空燃比12迄使用しているそうである。 2割もムダ使い&環境への悪影響を及ぼしているということだ。
 超希薄燃焼を実現するため、GDIもD−4も特殊なピストン頂面形状をとっており、 これが空燃比を「かなりリッチ」にして燃料冷却効果を上げないと燃焼室への負担を 減らせない最大の原因なのかもしれない。


 ・このクルマにこのエンジンで、燃費の良い走行をするには?

 60〜100Km/hの一定速度で走行できれば、空燃比30〜40の領域を使えるので、キャッチフレーズどおり の「30%燃料消費削減」が可能なはずである。
 しかし、ポイントは「一定速度で走る」ことではなく、「アクセルを一定に固定して走る」ことであり、少しでも踏み増しすると、途端に空燃比24以下に下がってしまう。
 このエンジンの「最も美味しい」領域を常に使って走りつづけるのは、郊外路を快調なペースで走るときか、高速をのんびり走るときくらいなもので、 大都市近郊に居住する人にとっては現実的にはなかなか機会が少ない。

 更に言えば、臨界rpm以下では極く微加速状態でもリーンバーンを維持できないというのは、 燃焼制御上の何らかの問題を回避するために取り入れた制御ではないか、と思われる。 加速〜減速を繰り返す大都市の町中では、加速中のほとんどが通常燃焼リーンかストイキモードでの走行となる

 三菱の説明では、エンジン回転3,500rpm以下は、 50%負荷まで超リーンバーン領域であるとされているが、これは実際の乗車感覚では違うようだ。
 また、カタログの10・15モード燃費測定値がこのプログラムで達成されているか?との問いに対しては、10・15モード中は加速時はすべて超リーンから外れた領域での走行で達成した数値とのことで、それでこの数値を得られるならば実走行燃費ももっと良くなって然るべき思う。このギャップは一体どこから生じるのか? 

それは、以後の私の調査によって、ようやく解明された(と本人は思っている)

この調査結果まとめページへ(99/1/17)


 また、臨界rpm以上でも空燃比40から踏み増したとき、空燃比25にそのまま変わるのではなく、2秒間の通常ストイキ燃焼を経てから通常燃焼リーンの空燃比25に移行する、というような挙動が読み取れる。 折角超リーンで走れる軽負荷状態なのに、制御上の都合で一瞬超リーンから外れるのである。
 
 さらに、アクセルの踏み込み量と、加速感・車体の負っている負荷強度が一致していないというのも、違和感を覚える。例えば80Km/hの一定走行ではほとんどアクセルを踏んでいない(足を乗せているだけ)状態であるが、加速時に微量踏み込んだだけでも、超希薄燃焼領域からはずれ、普通のエンジン と同じ程度の燃料を消費するのである。自分では「あまり踏み込んでいない」と思っていても、自動制御の分の「ゲタ」を履いている ぶん、エンジンにとっては既にかなりの負担を背負っているのである。

 但し、上記の不満は、電子制御スロットルを搭載した他車種では解決されている可能性もある。

 

 ・省燃費モードから外れるのは、どんな時? 97/11/8 rev.98/7/20

 定常走行で135Km/h以上の時や、加速時にアクセルを踏み込んだ時のほか、次の場合に 省燃費モードから外れ、通常燃焼モードとなる。

  1. 暖機運転中。 アイドリングが650〜750rpmに落ちるまでは、通常燃焼リッチ。
  2. A/TでDレンジに入れて停止中に、エアコンのコンプレッサーがONの時。
     この時は、発進時の瞬間的なトルクを得るためなのか、それともエアコンの負荷変動による空気量・燃料噴射量の変化への 制御が困難なためなのか、通常燃焼から発進するようにプログラムされているようだ。
  3. 走行中にブレーキを踏んでから、約2秒間。
     GDIの省燃費モードでは大量の空気を吸引するので、スロットルによる吸気絞りが期待できず、 吸気管負圧が不足してブレーキのマスタシリンダ作用が低下し、ブレーキの効きがあまくなってしまう。 これを避けるため、ブレーキペダルを踏んだときには即座に通常燃焼モードに変わり、 約2秒間はそのままで省燃費モードには戻らない。
     この影響は、特に都市部の渋滞路や信号間隔の短い道路を走行する際に現われる。こうした状況では、 どうしてもアクセル〜ブレーキを交互に踏み込む状況であり、ブレーキを踏んだあとの通常燃焼の状態で すぐに加速に入ることとなって、燃費を悪化させると思われる。

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  1.  以上のことから、街中での燃費を向上させるには、前車との車間距離を長めに保ち、 A/Tのスポーツモードを活用して、エンジンブレーキでの減速を利用することで、 省燃費モードを維持した走行が可能となる。
     エンジンブレーキを使うことで、その間の燃料のフュエルカットによる省燃費も合わせて期待でき、 一石二鳥である。しかし、私は自分ではこの方法で運転しているが、妻やその他の人には勧めない。 なぜなら、前車への追突の危険が増える恐れがあるから。
     もし、みなさんがこの方法を試してみるのであれば、まずはスポーツモードの マニュアルシフト操作に慣れることが大事で、十分に慣れて、シフトのタイムラグなどを しっかり体得してから、あくまで自己責任で試すようにしてほしい。


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